【カラダ整備】ステップ① 普段の姿勢を見直そう
普段の姿勢で体幹が変わる!
BikeJIN読者の皆さん、はじめまして。柔道整骨師・鍼灸師の資格を持つ高澤篤司です。まずは簡単に、自己紹介をさせてください。
私は、首都圏最大級の整骨院グループに19年ほど勤め、新たに東京都世田谷区の桜新町駅から徒歩1分の場所で「サンズ鍼灸・整骨院 桜新町院」の経営にも携わっています。幼稚園生から高校生まで一生懸命剣道をやってきて、高校3年生時には剣道で大学のスポーツ推薦も獲得。しかしここで手首にケガを負い、オペが必要だったことから大学進学を断念。専門学校に進んで柔道整復師・鍼灸師を目指しました。
この仕事を選んだのは高校生まで剣道をやってきた中で、面を打たれて首や肩を痛めたり体当たりで腰を痛めたり……と、仲間や自分自身がケガを負って接骨院に通うことがよくあり、自分もスポーツと関わる仕事がしたいと考えるようになったからです。
鍼灸整骨院に勤めるようになってから、トレーナーとして診てきたスポーツ選手はランナーからアクロバット系ミュージカルの出演者、プロ野球選手、男子プロバスケットボール選手や女子プロサッカー選手、俳優さんから芸人さんなど多岐に及びます。
これまで二輪系プロ選手のトレーナーを経験したことはないのですが、バイクには昔から憧れていて、30歳を過ぎたころに念願の普通二輪免許を取得。ライダーが抱えるカラダに関する悩みも多少ながら実感として理解できます。
例えば、多くのライダーが抱える悩みのひとつは、腰痛だと思います。腰痛はライダーに限らず多くの人が困っていますが……。
大前提として、腰痛になりづらいようにするためには、運動や普段の生活で腰周りのインナーマッスルを意識して腹圧を高めた状態にすることが大切です。腰痛で整形外科などを通院すると、腰にコルセット(ウエストベルト)を巻くよう指導されることがありますが、コルセットにはいくつかの効果があり、そのうちの大きなひとつは、腰周りを外側から締めることで適度に腹圧を高め、腰椎や骨盤を固定して腰周りの負担を軽減するというものです。
しかしコルセットやウエストベルトは、長くつけすぎるとむしろ筋力を低下させるというのがデメリット。医師などから指導を受けている方や、すでに強い痛みがある方や、モトクロスのように人間の筋力だけでは腰周りの固定による負担軽減が十分ではない激しいスポーツライディングをするなら話は別ですが、むやみやたらと装着することはあまりオススメできません。やはり、本来は自分の筋力で腰を守るための腹圧を得るべきです。
また、もうひとつの基礎となる考え方として、これも次回に解説しますが「骨盤(腰)を立てる」カラダの使い方が重要。このふたつが腰痛対策の核となります。
そこで第一歩として、まずは日々の生活でも、デスクワークの方々は正しい姿勢と方法で椅子に座って頂きたいと思っています。お尻の部分だけ(坐骨)で浅く腰掛け、膝は90度に。こうすると勝手に“坐骨が立つ” のですが、この状態で軽く背筋を伸ばしつつ上体を5度前傾すると、自然と足に力が加わり、その結果としてお腹(腹圧)にも勝手に力が入ります。これにより、腰が立った状態がキープされます。ポイントは“5度前傾” です!
そしてこの、椅子に座った状態の応用が、ライディング姿勢というわけです。次回は、そのあたりのことをもう少し詳しく説明しましょう。
○膝の角度を90度、腰を5度前傾
正しい椅子の座り方は、坐骨だけで腰掛けて膝を90度に曲げて、軽く背筋を伸ばしつつ上半身を5度前傾。これにより、腰が立った状態がキープされ、上半身の重さをムリなく腰で支えられるため、腰痛になりづらいのだ
△バランスを取ろうとして、骨盤は後傾
椅子に深く腰掛けて足を前に投げ出すと、前後のバランスを取ろうとして背中が丸まりやすく、結果的に骨盤が後傾。これだと上半身の荷重が斜めにかかり、腰の関節や筋肉にとって負担になりやすく、腰痛の原因にも!