博多からおよそ130km先に、長崎県・対馬がある。
ここは「国境の島」として、韓国・釜山は目と鼻の先。
地理的にも歴史的にも日本の重要拠点だった対馬はフェリーを利用すれば愛車で遊びに行けるのです!
長崎県 島めぐりの旅「対馬・壱岐」 移動は九州郵船のフェリー! その3
期待の絶景スポット・烏帽子岳展望台
北部から中部へ向かう。
対馬のルーティングは簡単で、南北を結ぶ国道382号が島の背骨にあたり、この国道から枝葉に分かれると理解すればいい。国道は眺めがいいわけではないので、県道に入らなければ海岸線はほとんど現れない。なので、時間に余裕がある方は周ってみるといいだろう。
そんなこんなで、期待していた絶景スポット・烏帽子岳展望台に到着。これほど複雑に入り組んだリアス式海岸の風景は見たことないし、すぐ近くの和多都美(わたづみ)神社の海に浮かぶ鳥居はとても神秘的だ。
烏帽子岳展望台
島中部にある絶景スポット。
標高176mの烏帽子岳山頂近くまでアクセスすると現れるのがこの光景で、浅茅湾の雄大な景色が見渡すことができる。これだけ複雑に入り組んだ海岸風景はこれまで遭遇したことがない。ここは外せないスポットだ!
宿泊は厳原へ
ここまでが個人的なマストスポットで、宿泊するために厳原に向かう。
今回の宿は、ビジネスホテルの大手チェーンである東横イン。厳原(いづはら)は対馬の中心地で居酒屋やコンビニが集まっているだけでなく、町の規模に不釣り合いなほどスナックも集中しており、夜も楽しめる街なのだ。居酒屋に入れば、とびっきりの刺身がいただけるので、ぜひ頼んでほしい。なお、韓国旅行者が多いことから、メニューにハングルが併記されていた。
最西南端の豆酘崎までワインディングを楽しむ
翌日は周れなかった対馬の中部から南部を周ってみる。
まずは最西南端の豆酘崎(つつざき)を探訪。豆酘って書いて「つつ」と読むそうで、これは現地の人に聞くまでは読み方が分からなかった。
道中の県道192号や24号は交通量も少ないワインディングなので走りも存分に楽しめる。だが、山の中を走る印象が強い対馬は意外と標高が低く、景色が一気に開けるような展望道路はない。そこで、ルーティングの際は「道」よりも「場所」を重視したプランが最適かもしれない。ほかにも、椎根の石屋根倉庫群や万関橋など見どころは多数。正味1日半の滞在時間があれば、おおかたのスポットは周れるのではないだろうか。
豆酘崎(つつざき)
対馬南西端に位置するのが豆酘崎。朝鮮海峡と対馬海峡の境界にあたり、風も強い場所である。どこの端っこもそうだが、ここも白亜の灯台が建ち、遊歩道、展望所が整備されている。豆酘に入ると突然、生活の匂いがしてどこか温かい。約1000人が住んでいる静かな町だそうだ.
日本最北西端の碑
棹崎公園内にあるのが日本最北西端のモニュメント。ここから韓国までは約50kmだそうで、天気がよければ韓国が望めるとのこと。公園内には、旧日本軍の砲台、弾薬庫跡が残るほか、灯台もある。すぐ近くにはツシマヤマネコの情報施設である対馬野生動物保護センターもある
椎根の石屋根倉庫群
対馬南部にある静かな集落が椎根地区。ここの見どころは石屋根で、これは対馬で産出される板状の石で屋根を葺いた高床式の建物だ。主に小屋と呼ばれる倉庫として使用されているようで、県指定有形文化財となっている。この建物は衣類や穀類などを格納する小屋として利用されていて、人家は別にあるそう。両側の山際に一列に並び、川の対岸に小屋が並んでいる
万関橋
浅茅(あそう)湾と三浦湾の間に開削された万関瀬戸と呼ばれる運河に架かり、対馬南北の島を結ぶ橋。明治後期に南下政策をとるロシアとの戦争にそなえ、日本海軍は水雷艇を対馬海峡東水道に出撃させるため開削したそうだ。橋の手前には駐車場も用意されている
日本なのに異国感のある対馬ツーリングは無事、終了
そんなこんなで、対馬ツーリングは無事、終了。グルメスポットだけは周りきれなくて悔いが残ったが、ライダーにとって実に魅力的な島であることが分かった今回の旅。これほど日本なのに異国感のある対馬は稀有な存在だろう。冒険心にあふれるこの島は、バイク旅こそ合うのではないだろうか。
対馬のグルメも要チェック!
対馬バーガー
対馬のご当地バーガーがコチラ。対馬名物のひじきをパテにまぜ、パテの上にこれまた名物のイカを載せているのが特徴。知らずにかぶりつくと、イカが落っこちてくるかも!? このバーガーを開発したのが、対馬の中心地・厳原にあるKIYO。対馬名物の「とんちゃん」を使ったバーガーもオススメだ
DATA
対馬バーガーKIYO
長崎県対馬市厳原町
大手橋1052
TEL:0920-52-0873
営業時間:11:30~19:00
休業日:不定
ろくべえ
さつまいものでんぷんで作った対馬独自の麺料理。麺は細くて短めで、表面はツルツル、食感はプルプル、ダシは濃い目
刺身
対馬はもちろん、刺身もうまい。冬であれば寒ブリがオススメ。1泊して居酒屋で旬の刺身をいただくのがいいだろう
対州黄金あなご
対洲黄金あなごとは、長崎県対馬市西沖の韓国との国境付近で獲れたもの。大きくて脂ののりがよく、独特な歯ごたえが特徴。そんな対洲黄金あなごを使った料理を提供しているのがあなご亭。定番は写真のあなごカツ定食1500円
ちなみに……。
釜山から対馬に旅行者が来ているということは、日本人が釜山まで高速船で海外旅行をすることも可能である。JR九州高速船(ビートル)は日本語対応のウェブサイトなので、バイクは積めないけど利用してみるのも面白いかもしれない。ツワモノは国境を越えてみては?
-対馬マップ-
対馬に渡るには、博多から向かうことになる。九州郵船、壱岐・対馬フェリー、対州海運が運航しており、会社によりダイヤは違うが、深夜に乗り込み早朝5時頃に対馬入りというパターンが多い。
今回は比田勝港から入り厳原から帰ったが、この組み合わせなら、まず北部を楽しみ南下していくルートとなり宿泊は厳原。縦に往復する必要がないため時間短縮が可能だ
観光情報については下記参照
DATA
問:対馬観光物産協会
TEL:0920-52-1566
http://www.tsushima-net.org/