【ハーレー和尚のバイク説法「四弘警願」】ライダーが祈る交通安全と新年の誓い
新年を迎える初詣で、絵馬に願いを込めるライダーたち。その祈りは個人の安全だけでなく、すべてのバイク乗りや交通社会の平和を願うもの。本瀧寺の住職・シュウケンが語る「誓願」とは、ただ願うだけでなく、自ら行動する決意の表れ。2025年を迎える今、自分なりの誓いを立てて新年を迎えませんか?
新しい年を迎えるための誓いと目標
本瀧寺のシュウケンです。早いもので、2024年も残りあと数日となりました。新年になると多くの方が初詣に出かけられるかと思います。当寺にも毎年多くのライダーがお参りに来られ、交通安全などを祈願されています。私事で少し恐縮ですが、今回の初詣期間中に培倶人さんとコラボした絵馬を授与させていただきます。この特別な絵馬で交通安全などを祈願いただければ幸いです。
絵馬は、神馬として生きた馬を神様に献上していた古代の風習が起源だと聞きます。それがいつしか馬を描いた絵を奉納するようになったとされています。じつは京都にある貴船神社が、絵馬発祥の地だという話を聞いたことがあります。当寺でも初詣に限らず、一年を通して多くのライダーが絵馬に祈願して奉納されます。祈祷の際、願い事を拝見するのですが、ほとんどのライダーが交通安全を祈願しています。「◯◯が欲しい、◯◯がしたい」など自分個人の願いは少なく、ライダー全員、バイクに関わる人々全体の幸せなどを願っている人が多いことに、いつも感動します。
仏門に帰依する者は、『四弘誓願』(しぐぜいがん)と言う誓いを立てます。“衆生無辺誓願度”、全ての生きものを救うことを誓います。“煩悩無数誓願断”、無数なる煩悩を断つことを誓います。“法門無尽誓願成”、仏様の教えの全てを知ることを誓います。“仏道無上誓願成”、仏道に入り成仏することを誓います。この4つが仏道における重要な誓い、つまり誓願なのです。しかも自分だけでなく他の人々とも手を取り合って悟りに近づいていきます。
誓願とは、神様や仏様に誓いを立てて、何か成就を願うこと。ただ願うだけでなく、その願いのために行動することを誓うことです。例えば交通安全。交通安全を成就するためには、安全運転が不可欠です。しかし現実は自分一人が安全運転をしていても、他人の無謀運転に巻き込まれることがあります。でも考えてください。安全運転を心がけると、少なくとも自分が原因で他人を事故に巻き込むことはなくなります。そうして全てのライダー、ドライバーが安全運転をしていくと、いつか事故のない安全な交通社会が訪れると思います。他人がどうとかでなく、まずは自分から。その輪が広がっていくことが人々と手を取り合って物事を成就させるための第一歩なのです。
来る新年、新しい目標と一緒に、自分なりの誓いを立てて迎えていただければと思います。2025年もライダーのみなさんにとって、素晴らしい年でありますよう心からお祈りします。
合掌