【寒冷地ツーリング】温泉と猪苗代湖で締めくくる旅
冷えた体を芯から温める「温ツーリング」。秋冬にぴったりな会津地方を舞台に歴史情緒漂う熱塩温泉での宿泊や磐梯山を望む猪苗代湖畔での散策を通じて旅の醍醐味を存分に味わいます
温泉で温かさを堪能
赤べこと存分に触れ合っていたら、すっかり日が暮れてしまった。この日の最後に向かうのは旅の最大の目的〝温〞泉だ。冒頭でも言ったように温泉の温かみをもっとも感じられるのは秋冬だと思う。浸かるときは湯温と気温差のギャップで、温泉のあたたかさがより一層身に染みる。また、湯冷めしないように長風呂して存分に温泉を堪能できるのもイイ……。
日が暮れた会津市街を抜け郊外へ。さすがに身体も冷えてきた頃到着したのは熱塩温泉・山形屋。古くから湯治場として栄えたこの地で、現在唯一営業している温泉宿である。
将棋の名人戦が行われたこともある由緒正しい宿で、温泉・料理共に申し分ない。
温泉は男女入れ替え制で趣の異なる内湯と露天風呂は、塩化物泉で身体がよくあったまる。ぜひ夜と朝の両方浸かって存分に堪能してほしい。料理も地元の食材をふんだんに使ったメニューが用意されており、ボリュームも満点。僕が泊まった時は会津の保存食や新蕎麦、菊を使った料理など土地の色を存分に堪能できる味が揃っていた。夕食後も再び温泉へ。火照った身体のまま熟睡。朝まで一回も目が覚めないほどすごく深い眠りだった。
TEL0241-36-2288
宿泊料金:1 万2000円~(1 泊2 食付き)
※季節により変動
日帰り入浴料金:800円
※利用可能日時は事前にTELで確認
https://www.spayamagataya.com/
猪苗代湖と御霊櫃峠を巡る
一夜明けて朝風呂にゆっくり浸かり、パッチリと目が覚めた僕は朝食を食べて宿を後にし、猪苗代湖へと向かう。全国第四位という広大な面積の猪苗代湖畔では釣りやキャンプを楽しんでいる人々がチラホラ。
TEL0242-62-2048(猪苗代観光協会)
猪苗代湖から見える磐梯山の雄大な姿を瞼におさめ、最後に向かったのは御ご霊れい櫃びつ峠。ちょっと不穏な名前の由来は登山道にある五穀豊穣を祈願したとされる「櫃石」という巨石だそうだ。幕末には会津藩士と官軍との激戦地となり周辺にはいまも防塁の跡が残る。頂上まではセンターラインのない狭い道だが、舗装状態は良く走りやすい印象だった。
峠のてっぺんで郡山市街と猪苗代湖を一望した後はインターチェンジのある郡山市へ向かって山を下って行ったのだった。
道中はウエアの恩恵や足湯もあり、宿泊した温泉でも存分に温まった今回のツーリング、会津地方は例年12月下旬ごろから雪が降り始めるそうなので滑り込みで「温」ツーリングに出かけてみよう。