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【MOTO GUZZI・STELVIO】縦置きVツイン×水冷化の新時代アドベンチャー[深堀りバイク日誌]

イタリア最古のバイクメーカー
モト・グッツィが有するアドベンチャーバイクの
ステオルビオブランドが最新の水冷エンジンを得て復活
アルプス越えのステオルビオ峠の名を冠した縦置きVツインの
新型アドベンチャーの実力とは?

ピアッジオコール TEL03-3453-3903
https://www.motoguzzi.com/jp_JA/

よりパワフルに進化した水冷縦置き90度Vツイン

このモト・グッツィのステルビオを語るうえでとにかく外せないのが、エンジンのクランクシャフトが一般的な横置きレイアウトではなく、縦置きされた90度Vツインエンジンであるということ。〝モト・グッツィといえば縦置きクランクの90度Vツイン〞というほどイメージが定着しており、もはやアイデンティティと言ってもいい。

ステルビオに搭載される縦置きVツインは、同社初の〝水冷〞を採用してパワーアップを図ったユニット。「コンパクトブロック」という名前が付けられており、高速ツアラーのV100マンデッロに続いて2機種目の採用となる。

またもう一つのトピックスは、モト・グッツィのアドベンチャーブランドである〝ステルビオ〞の復活だ。現在、モト・グッツィのラインナップには、従来の空冷縦置きVツインを積んだV85TTも存在。同社のアドベンチャーバイクは2024年10月現在、ステルビオとの2枚看板となっている。

さて、水冷化された縦置きクランクの90度Vツインエンジンはどうか? 筆者は空冷エンジンを積んだV85TTの試乗経験もあるが、エンジンフィーリングに関しては、水冷化でしっかりパワーアップされているのを感じる。

V85TTの空冷エンジンはどちらかというと優しめのフィーリングでテイスティだったが、ステルビオの水冷エンジンは腹に響くようなVツインサウンドで、スロットルをひねればより力強い蹴り出し感が味わえる。

感心したのは、モト・グッツィらしい〝味わい〞の部分が水冷化してもしっかり残っていることだ。ブームの盛り上がりで多様化しているアドベンチャーバイクではあるが、ここまで味わい深いテイスティなエンジンを搭載したモデルはなかなかない。

そんなステルビオの、アドベンチャーバイクとしてのポジションはどのあたりか? と問われれば、フロントホイールは19インチでバランス型であるのは間違いない。テネレ700やトゥアレグ660のようなフロント21インチのオフロード性能特化タイプでもなく、フロント17インチ系のロードスポーツ特化型でもない。

フロントのホイールサイズは19インチで、サスペンションに関しては、オフロード走行を想定してのことだろう、前後170㎜とやや長めに確保し、インナーチューブ径もφ46㎜とかなり太めな設定となっている。

水冷化した新型の縦置きVツイン「コンパクトブロック」

ステルビオに搭載された縦置きVツインエンジンは、本誌Vol.251で紹介したV100マンデッロと同じ、水冷化した最新型。「コンパクトブロック」と名付けられたこのエンジンは、モト・グッツィ伝統の90度Vの縦置きクランクレイアウトはそのままに、水冷化しながら文字通りコンパクト化されているのだ。エンジン長さが空冷の先代に比べ103㎜も短くなっている。

駆動はクランク縦置きエンジンと相性がいいシャフトドライブ。リアショックはKYB製でホイールトラベルは多めの170㎜。プリロード調整と伸側減衰力調整も装備
水冷4ストロークDOHC 4バルブ縦置90°Vツインで排気量は1042cc。アシストスリッパークラッチを採用し、オプションでクイックシフターも用意

テスター : 172㎝ 75㎏
シート高830㎜で、両足で支えるとカカトが7、8㎝浮く足着き。車格はかなり大きく見えるが、思ったほど足着きは悪くない印象。上半身もアップライトで長時間の運転でも疲れにくい

STELVIO
エンジン:水冷4st.縦置90°V 型2気筒1042cc
最高出力:115ps/8800rpm
最大トルク:10.7kg-m/6750rpm
重量:233㎏ 
シート高:830 ㎜
燃料タンク容量:21L(ハイオク指定)
タイヤサイズ:
F=120/70R19
R=170/60R17
価格:242万円

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