令和のバイクライフ新常識 -マナー編-
バイクの趣味には、様々な考え方やマナーが存在するが
中には諸先輩方が連綿と受け継いできた慣習のような常識も存在する。
今回、そんなライダーの周りにある常識のあれこれを再定義!
あくまで一説。でも頭の隅に置いておいてほしい……!
一番上手な人は、一番楽しんではいけない
仲間と共に走るマスツーリングは、バイクライフの醍醐味のひとつ。でもここで注意が必要。経験が浅いメンバーが同行している時は、上級者がペース配分やルート選択などを、無理のないプランに誘導するべきです。
特に、スピードの調整は最重要。自分にとって快適な速度でも、スキルの低い人は緊張を強いられているかもしれません。経験の浅いライダーは自分のライディングスキルを把握できておらず、先行するライダーに無理について行こうとする傾向があります。言うまでもなく危険です。
マスツーリングのペースは、スキルの低いライダーに合わせることが鉄則。走りに物足りなさを感じるかもしれませんが、ベテランがホストに徹することで、ビギナーがツーリングの楽しさに気付けます。ツーリングが楽しい思い出になるか、気まずい過去になるかは、アナタ次第という意識を持ちましょう。
強制ではないけれど可能な限り装着したいプロテクター
転倒や他者と絡んだ交通事故など、アクシデント発生時にライダーのダメージを軽減してくれるプロテクター。年々装着率は上がっていますが、100%にはほど遠いのが現状です。 事故はあってはならないものですが、残念なことに危険は常に存在します。もし、自分が加害者になったと考えてください。被害者がプロテクターを装備していてくれれば、感謝することになるでしょう。プロテクターの普及は、すべてのライダーにとってメリットしかありません。
ヤエー! は運転に余裕のある人がやるエンターテインメント
もはや“ヤエー!”という呼称が浸透している、ツーリング中のピースサイン。ライダー同士のコミュニケーションとして嬉しく感じるものですが、場面によっては迷惑。難しいコーナリング中にヤエー!を送られても困ります。そういう時は、無理にサインを返さずとも問題ありません。また、相手が困るタイミングでサインを送らないこと、リアクションがなくても気にしないことです。気持ちは伝わっていますから。
SNSはオススメ(アドバイス)するときは一晩寝かす
新しい出会いを求めたり、情報収集に欠かせないSNS。バイクライフを拡げる有効な手段ですが、利用には注意が必要。
仮に、他の人の投稿を見て内容に間違いを見つけたり、助言してあげたいと感じたとします。ですが、リプライを飛ばす前に、もう一度書き込んだ内容をジックリと読み返してみましょう。もちろんアナタなりの善意であることは間違いないとは分かってはいますが、その通りに受け取ってくれるとは限らないのがSNSの厄介なところ……。
アナタの100%善意からの進言でも、上から目線のアドバイスいわゆる「マウント」と取られる可能性があります。文字数が限られがちのSNSは、実は意思疎通の難易度が高め。ましてや、何処の誰かも分からない相手に、上から目線の意見を投げつけられたと感じたら……。親切心からの投稿が、トラブルになりかねません。走るのもSNSも、他者を尊重する姿勢が大切です。
ライダーは“スマート”であるべし
まず、最初に認識しておくべきは「バイクは理解されにくい趣味」であることです。心地良いエキゾーストノートは、バイクに興味がない人にとっては騒音に聞こえるかもしれません。ワインディングを爽快に駆け抜けることも、暴走行為と捉えられてもおかしくないのです。バイクの社会的評価は、ライダーとライダー以外で、大きな差が存在しているのが事実なのです。
交通ルールはもちろん、道路を走る上で守るべきマナーも徹底すべき。なにより大切なのは、他者を尊重することです。走りでも身だしなみでも、周りに不快感を与えないよう心がけましょう。
バイクの本質は“個”に寄ったもので、自由であると共に大きな責任が伴います。ですが、自己責任という言葉を盾に、好き勝手に走ることは他者に甘えた卑怯な行為です。私たちが走る道は、様々な乗り物が往来する混合交通の場であり、相互理解なくして成り立ちません。
すべてのライダーが“見られている”自覚を持ち、己の行動に責任を持つ。その積み重ねが、バイクを取り巻く環境を向上させる唯一の方法です。ライダーよ、スマートであれ!