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ハーレー和尚のバイク説法「年中安泰(ねんじゅうあんたい)」

*2023年2月号より抜粋

バイク寺として親しまれる大阪府能勢町にある「妙見宗総本山 本瀧寺」の執事長。40歳の時に大型二輪免許を取得。ショベルに乗るハーレー和尚として、バイク講話など交通安全普及に努める

 本瀧寺のシュウケンです。この筆を執らせていただいている時点では、まだ年は明けていませんが、新年を迎えてご覧になられている方も多いかと思います。ついこの間、お正月の話をさせていただいたかと思うと、もう次のお正月です。毎年のことではありますが、この時期になると一年の早さを痛感します。

初詣ツーリングで人気のバイク寺こと大阪の妙見山中腹にある本瀧寺。好評のバイク絵馬に加えて、新たにバイク寺蔵の絵馬も用意。好きな写真データを絵馬にプリントしてもらえる、初詣ツーリングの記念にオススメの開運アイテム

 日本には多くの行事があります。お盆や節分などの古くから伝わるものや、クリスマス、最近ではハロウィンといった外国から伝わったものまで、それこそ毎月のようにさまざまな行事を迎えます。なかでも正月は、信仰などに関わらずほとんどの日本人が祝う行事ではないでしょうか。

 仏教では、故人は亡くなってから33年でご先祖様の仲間入りをします。地域や宗派によって異なりますが、一般的には三十三回忌で、故人に対する供養を終える、弔い上げをします(以降は先祖として供養)。その間、一周忌、三回忌、七回忌……、と節目節目の祥月命日に法要を行います。ちなみに仏教で33は特別な数です。観音菩薩が時と場所を変えて衆生にこられ、その時の姿が33あるとされています。また、これら年忌法要とは別に初七日、四十九日などの忌日法要もあります。人は亡くなってから
49日目に極楽浄土へと向かいます。その間、七日毎に閻魔様の裁きを受けるとされています。故人が極楽浄土に行けるように、残された家族が節目毎に祈るのが、初七日などの忌日法要です。このように日本人は古くから節目節目を大切にしてきました。当然1年の中にもさまざまな節目があって、その最初が正月なのです。

 恐らく皆さんの中で、100%完璧な1年を過ごした方はいないかと思います。“これをしとけば良かった”、“あんなことをしなければ良かった”など、良い年を過ごされた方の中にも、多少なりとも後悔や失敗があったかと思います。失敗や後悔から学ぶことは大切です。けれども、それらをいつまでも引きずるのは良くありません。旧年の失敗や後悔などは除夜の鐘とともに洗い流し、新しい気持ちで新年を迎えてください。節目とは物事の大事な区切りで、次の段階への第一歩でもあります。

元日の祈祷など一年の安泰を祈る本瀧寺。守護鈴付きのライダー&バイクの祈祷も行ってくれる

 事故やトラブルなどなく、ライダーの皆さんにとって本年もよい年でありますよう、心からお祈り申し上げます。


合掌

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