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【CAKE・Kalk&】U400で行こう!

400㏄以下は日本のスタンダードだと思っている
街乗りからツーリングまで広範囲に使えるからだ
大型バイクの良さを認めたうえであえてサイズダウン
軽二輪クラスのEVバイクの実力は?

圧倒的な軽量ボディが高いスポーツ性を実現

バイクのEV化が進行中だ。国内メーカーは現状、原付クラスのスクーターが主流だが、海外に目を転じればオフロードタイプやストリートモデルなど多彩なカテゴリーが製造されている。レースの世界においてもすでに、2019年からモトEクラスが開催されている。そうした中、環境先進国スウェーデンから登場したのが2 016年に設立されたCAKEのプレミアム軽量電動バイクだ。日本国内ではライダーズウエアをはじめスポーツアパレルブランドとして広く知られているゴールドウインがパートナー契約を締結し、販売をスタートさせている。

今回試乗したKalk&は軽二輪クラスに位置するストリート走行を意識したトレールモデルで、未来的で洗練されたボディデザインが印象的だ。加えて、構造が非常にシンプルで、従来のバイクの概念を見事なまでに打破している。

スリムなボディを実現しているが、シート高はかなり高く、跨ったときの感覚はオフロードマシンそのものである。178㎝のボクが乗車しても両足のつま先がどうにか着く程度だ。しかし恐怖は感じない。なぜなら、車重がわずか79㎏に収まっているので、車体が斜めになっても重さで倒してしまうなんてことはない。なので、初めて乗ったにもかかわらず不安を覚えることが、まったくなかった。

モーターの出力および電気ブレーキ(エンブレ)はそれぞれ3段階にモード切り替えできる。始めはもっとも出力を抑えたモード1でブレーキもモード1に設定して走ってみた。トルクが強いモーター出力をうまく制御していて、スロットルをグイっと開けても加速は穏やかだ。またスロットルオフでの減速もスムーズである。しかしちょっと物足りない感じがするので、それぞれのモードを2にしてみた。するとリニアな操作感になり、市街地で使いやすくなった。モード3ではパワフルな特性となり、加速力も大きくアップ。減速の特性に関してはモード3はちょっと強すぎるので、モード2がちょうどいいと感じた。いずれにしても、バイクとして楽しめた。

スリムなボディ、異常なほど高い位置にセットされたシートによりもたらされるポジションは、いままでに例のない独特なもの。だがフレームカバーをニーグリップできるので、安定して走行できる

スウェーデン生まれの先進的EVバイク

最高速度90km/h
航続距離86km
最大瞬間出力10kW
定格出力5.8kW
車両重量79㎏
免許普通自動二輪(AT 限定含む)
価格291万5000円

パワーユニットは最大瞬間出力10kW/定格出力5.8kWを発生するモーター。走行時のCO₂排出はもちろんゼロで音も静か。回転フィーリングも非常に滑らか

モーターおよびバッテリーをフレー
ムで取り囲んだ独特のスタイルは、
マスの集中化がしっかり実現していることが外観からも理解できる

LED採用の丸型ヘッドライトは、光量、照射範囲ともに不満はない

小型のテールランプをはじめウインカーランプ類もすべてLEDだ

ユニークなスタイル構築の一翼を担うスクエア形状のアルミステップ

試乗バイクにはオーリンズ製倒立フロントフォークが装備されていた

リアサスにもオーリンズ製ショックが装備され、高い路面追従性を発揮

ホイールはスポーク式。フロントシングルディスクブレーキを採用

リヤブレーキにも2ポットキャリパー装備のディスクブレーキを採用

ストリートユースに適した細身のタイヤは、環境への負荷を減少させた

駆動方式はチェーンドライブだが、ベルトドライブとなる可能性が高い

サイドスタンドは自動収納式なので、出す際には注意が必要だ

赤いキャップが外れると電源がオフになる仕組みも採用している

オフロードモデルらしいロングシートは硬質な座り心地がスポーティ

モード切り替え

モーターの出力特性および回生ブレーキのモードをそれぞれ3段階に切り替えることができる。出力特性の切り替えでパワーの出方が変わるが、最高速も異なる。ブレーキもモードによって減速のしかたがちがってくる。状況に応じて適切な走行性が選択できるのだ

出力モードの切り替えは、ディスプレイ横のスイッチ操作で行う。押すごとに「1,2,3」と表示が切り替わるので、要求する数字で完了させる

回生ブレーキモード切り替えも同様の方法で行う。実走した感覚では、モード2がもっともバイクに近い減速フィーリングだった。操作が簡単なのも特徴的

街乗りでは?

コミューターとして実用性も高い!!

EVバイクで問題となるのが、満充電での航続距離である。Kalk& の場合、86㎞というデータだ。現実的には5、60㎞といったところだろう。最高速も90㎞/hなので高速道路を利用したツーリングは不可能。しかし日常の足として街乗りに使うのであれば、現実的な選択となる。足着きは悪いが、車重は79㎏しかないので取り回しに苦労しないのも利点。

シート高はかなり高めで、1Gでの前後サスの沈み込みもあまり大きくない。そのため足着きは悪い。だが車重がとにかく軽いので、取り回しは抜群だ

バッテリー充電

バッテリー充電については、専用の接続器を介して行うが、使用する電源は一般的な家庭用電源であるAC100V コンセント。充電に要する時間は2 ~ 3時間。コミューターとして利用する場合、帰宅後に充電しておけば事足りる。インフラ整備も進めていくとのこと

オフロードタイプがベースのストリートバイクKalk& は、力強いモーターの加速により街中で高い機動性を発揮する。試しに住宅地の急な坂道も上ってみたが、パワー不足はいっさい感じない走りを見せてくれた。ただし実用的な装備を持たないので、現時点ではビジネスユースやツーリングには適していない

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