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【カラダ整備】⑧下半身エクササイズ

BikeJIN2023年7月号 Vol.246掲載

ライディングに効く下半身エクササイズの第一歩

前回予告したように、今回は股関節のエクササイズについて紹介しましょう。股関節がうまく可動させられないと運動パフォーマンスが上がらないというのは、全身を使うスポーツのすべてに共通することなのですが、頻繁に「下半身で操る」と言われることからも分かるように、これはバイクも同様です。

一般的なモーターサイクルの場合、上手に操縦するためにはニーグリップが求められます。あるいは、オンロードでスポーティに走る場合には、膝を開いた状態で適正なフォームを維持する必要もあります。このとき股関節の動きがカタければ、理想的なフォームで運転することすら難しくなるかもしれません。そこでまずは、股関節のストレッチにより、しなやかに動けるようデイリーエクササイズしましょう。

その方法は下で紹介していますが、股関節に関しては一般的に、内股になるように股関節を内側にねじる動きがカタくなっている「内旋制限」と呼ばれる状態の人が多くいらっしゃいます。ストレッチは、内旋と外旋(ガニ股になるように股関節を外側にねじる方向の動き)をセットでやるのが基本ですが、とくに膝を閉じる方向の動きに注意してみましょう。

そして、ここからがポイントなのですが、内旋制限により股関節をうまく閉じることができずに生活していると、「動かない→使わない」という流れから、同時進行的に股関節を内旋させる筋力の低下を招きます。その中のひとつが内転筋群。股関節の付け根から太腿の内側、膝の内側にかけて伸びる、5つの筋肉から成るパートです。そのため、ストレッチに加えて内転筋を鍛えることも非常に大切。内転筋は、その名称からも分かるように、股関節を内転(直立状態で足を内側に払う動き)するのにも作用する筋肉ですが、内旋にも効いてきます。

そこで今回は、内転筋を鍛えるエクササイズも紹介したいのですが、トレーニングというのは実際にその筋肉が使われるのに近い状態でやってこそ、より効果が得られます。バイクで内転筋が使われる状況のひとつは、股関節が比較的閉じた状態からさらにキュッと閉めるニーグリップのとき。というわけで、以下に紹介する「片足上げサイドプランク」のエクササイズが、バイク乗りには特に有効だと思います。

このエクササイズは、内転筋に加えてさまざまなインナーマッスルに効いてきます。片側ずつ時間を決めて体勢をキープするトレーニングですが、最初は10秒でもキツいと感じるかもしれません。でも、毎日継続して続けるうちに15秒、20秒……と持続時間は伸びるはず。まずは20秒を目標に、できれば片側30秒ずつをキープできるように試してみてください。同時に体幹も鍛えられるエクササイズなので、ライディングのさまざまなシーンで動きのキレにもつながりそう。また、ロングツーリングの疲労軽減も期待できます。もちろん、ニーグリップで燃料タンクを保持できる力が増すことで、ブレーキングや強風への対処など、さまざまなシーンでメリットが生まれると思います。

❶身体を横向きにして、右手で上半身を支え、右足の膝を曲げ、左足裏の内側を床について、イラストのような状態に
❷右手と左足裏だけで全身を支えて右足を地面から浮かせ、左手は上半身に対して真横に伸ばし、上半身と下半身が一直線になった姿勢をキープする。30秒静止を目標に、まずは10秒からチャレンジ。もちろん反対向き(左手接地)も同様に!

❶椅子に座った状態でできる、簡単な股関節ストレッチの一例。やや膝を開いた状態で両足を床につけて座り、右手で右膝あるいは左手で左膝を押し、股関節を内旋した状態で静止する
❷内旋のストレッチ後は、外旋もケア。片側の足首をもう片方の腿の上に置き、この状態で上げたほうの足の膝を下方向に軽く押して、股関節を外旋する

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