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【カラダ整備】ステップ③ 何型か把握しよう

屈曲型か伸展型かを把握すべし

多くのライダーが抱える身体に関する悩みのひとつが、腰痛だと思います。そんな腰痛は、ただ放置していたからといって劇的によくなることはありません。腰痛をダイエットに置き換えるとイメージしやすいのですが、ダイエットのためにパーソナルトレーニングジムを訪ねたら、週2回以上のジム通いにプラスして食事制限を指導されるはず。同様に腰痛も、接骨院で治療するなら週2回は通院してもらい、その上でプランクなどの運動を普段からすることを薦めます。

つまり腰痛治療における運動は、ダイエットの食事制限と同じ。ジムに通わずダイエットしたいなら食事制限するように、接骨院に通わず腰痛をなくすなら、普段の運動はマストです。

ステップ②では、簡単に体幹を鍛えられる「プランク」というエクササイズを紹介しました。プランクは、お腹の一番奥にある腹横筋というインナーマッスルを鍛える効果があります。腹横筋は、お腹をぐるりと包むようについているため「天然のコルセット」と呼ばれることもあり、腰痛予防ならここは外せない存在。膝を床に着けたプランクや、さらに上級者向けとなる膝を浮かせたプランクは、最初は30秒キープもツラいかもしれませんが、毎日やっていると維持できる時間は伸びてくるはず。少しの時間とスペースがあればできるので、なるべく毎日継続してください。膝を浮かせたプランクを30秒キープで1日2 ~ 3回やるだけでも、体幹が鍛えられて腰痛リスクは低減します。例えば、これまではツーリングで昼すぎ頃には腰が痛くなっていた人が、夕方まで持つようになると思います。

それと同時に、ちょっと調べてほしいのが、「自分はどのような姿勢なのか?」ということ。腰椎と股関節に関して、それぞれ屈曲型と伸展型があり、それらの組み合わせによる4タイプの姿勢により、下左図にまとめたように発症しやすい疾患が変わります。

股関節まで含めた4タイプだと考えるのが難しいかもしれませんが、少なくとも自分の腰椎が屈曲型なのか伸展型なのかは、腰痛につながる要素の把握として、一度意識してみてほしいのです。

腹筋側と骨盤および太ももの後ろ側につく筋肉が緊張すると、骨盤は後傾。逆に、太ももの前側と背筋側の筋肉が緊張すると、骨盤は前傾します(※下図1参照)。自分が屈曲型と伸展型のどちらなのかは、椅子に座って意識的に骨盤を立てたり寝かせたりしたときに、どちらが“やりやすいか” を確認してみてください。屈曲型の人は骨盤を前傾させること、伸展型の人は後傾させることが難しく感じるはずです。

骨盤が後傾している場合、腰の1点に上半身の重さが集中してかかりやすく、その筋肉にストレスがかり過ぎの状態となってカタくなり、最終的には痛みにつながります。骨盤の前傾の場合、最初から反っているので、すでに力が入った状態。ずっと力が入っていれば疲れますよね。バイクも、ツーリングで椅子に座っているのに近い姿勢を長時間キープします。いくらプランクを何分間もできるような筋力がっても、骨盤が後傾あるいは前傾していれば腰痛につながってしまうのです。

ちなみに、普段の生活だと男性は屈曲型、女性は伸展型が多く、だからバイクでも“女の子乗り” と呼ばれる姿勢になりやすいのかもしれません。これは、男性と女性では骨盤の形が違う点や女性は普段から足を閉じて座っていることも多く、そのために骨盤や太ももの前側につく筋肉が緊張しやすいからでしょう。

屈曲型と伸展型のライダーに、それぞれ向いている運動については、次回詳しく紹介しましょう。

骨盤におけるフォースカップル

フォースカップルとは、関節軸を安定させるため、反対方向にお互いが均等な力を発揮すること。骨盤の前側あるいは後ろ側のどちらかが極端に緊張すると、前傾や後傾の姿勢になります

姿勢別に発症しやすい疾患

普段の姿勢で、発症しやすい疾患に違いがあります。例えば、腰椎と股関節ともに屈曲型の場合、腰痛や膝前側痛だけでなく、腰とは関係なさそうな肩こりの原因になることもあるんです

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