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阿蘇市観光課の担当者が語る、中から見た阿蘇の魅力

絶景ロードの宝庫にして、見どころ満載の阿蘇
ライダーなら一度は走っておくべき土地だ
阿蘇在住ライダーが教える、ココだけマル得情報

毎日見ても飽きない美しい阿蘇の風景

「ここに住んでいて、毎日阿蘇を目にしている私でも、なんてキレイなんだ! って思います。みなさんにも、ぜひこの風景を見てもらいたいんです!」

そう語るのは、阿蘇市の職員で観光課にお勤めの菊地歩美さん。そう聞くと、観光客誘致のためのセールストークではないか? と、うがった見方をしてしまうかもしれない。もちろん、仕事という側面もあるだろう。だがそれ以前に、菊地さん自身が阿蘇に魅せられている一人のライダーなのだ。「毎日、毎日、季節が変わっていくことを感じさせてくれます。5月頃に田に水が張られ、まだ稲が育ってない時、水田に逆さの阿蘇山が映る景色は感動します。日中は風が出て水鏡にならないので、早朝しか見られません。夏は波打つ緑、秋は黄金色のススキもイイですし外輪山から雲海に出会えるチャンスが多くなります。雲海は年間を通して見られる可能性がありますが、条件が揃いやすいのが秋なんです。冬は雪で山が真っ白になったり……。何度でも足を運んでもらって、それぞれの景色を味わってほしい。自慢したいんです。私の大好きな阿蘇を見て!って」

季節によって違う表情を見せてくれる阿蘇。中でも、菊地さんのイチオシが早春なのだそう。「私が好きなのは、野焼きが行われた直後です。焼けて、山々が真っ黒になって、すごく荒々しい。一時期だけしか見られません。」

そんなレアな風景、機会があればぜひ見たいものだが、我々が知っている阿蘇の風景といえば、草千里を代表とする広々とした草原。どこまでも広がる緑の絨毯の中を駆け抜けるミルクロードは、ツーリング好きにとって憧れの道。だが、実はその阿蘇ならではの景観は、野焼きなど、人の手によって作り出され、維持されてきたものだと知っているだろうか?

「阿蘇の草原は農業のために作られたものです。野焼きなど人の手が入らなければ、雑木が勝手に生えて森になり、現在の阿蘇の風景はなくなります。『千年の草原』と言われますが、少なくとも千年以上前から利用されてきたことが分かっています。一説には一万年前からとも言われているほどです。長い年月続けられてきた、阿蘇の風景のひとつが野焼きなんです」

野焼きは例年2月から3月に行われる。枯れた草原を燃え広がる炎は一見の価値があるが、火を使うので危険な面もある。実際に、物見遊山の観光客による路上駐車が問題になったり、火災の被害を受けた事例もあるという。観光行事ではないので、作業の邪魔になる行為は慎むべきだ。だが、野焼きには作業ボランティアとして参加することも可能。興味がある人は「阿蘇グリーンストック」で検索してみよう。これまでにない経験ができるだろう。

「春の阿蘇にいらしたら、ぜひ食べてほしいものがあります。阿蘇の名産品『阿蘇たかな漬』は、3月頃に収穫して漬け込むのですが、その直後なら浅漬けの状態が味わえます。『青たかな』や『新漬け』というのですが、シャキシャキした食感で、熟成されたものとは違った美味しさがあるんです」

人気のあか牛うしをはじめとして、生で食べられるトウモロコシなど地元グルメにはこと欠かない。阿蘇は火山だから温泉も豊富。阿蘇市で最大の温泉街である内牧温泉は、ほぼすべての宿がそれぞれ源泉を持つほど湯量が豊富。しかも、源泉ごとに泉質が少しずつ違うので、温泉好きにはたまらない。

ああ、もう阿蘇に行きたくて仕方ない。だが、ここで忘れてはならないのが新型コロナ対策だ。バイクを停めての観光や飲食店入店時など、マスクの着用とソーシャルディスタンスの確保はマスト。

阿蘇を楽しむのはいいが、感染源がライダー……などという不名誉な事態は許されない。阿蘇を思い切り楽しむためにも、我々一人一人が肝に銘じるべきなのだ。

例年、2月から3月にかけて行われている野焼き。野焼きの作業自体も見応えがあるが、菊地さんのオススメは野焼きが済んだ後。自然が豊かで一年中植物に覆われている阿蘇が、一瞬だけ荒々しい素顔を見せる期間限定のレア風景。

阿蘇市観光課 菊地歩美さん

 

九州のライダーにとって、阿蘇は馴染み深い土地。菊地さんも、学生時代にツーリングで幾度となく訪れ、「ここで暮らしてみたい」と思ったことがきっかけで、阿蘇市役所に就職。阿蘇での生活は6年目だが、美しい風景は見飽きることがないと語る。愛車は学生時代から所有するヤマハXT250X。

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