雑誌の編集者、マンガの編集者、小説の編集者……
編集者にもいろいろあり、地図にも編集者がいるわけだが
一体地図の編集者とはどんなことをしているのか
地図の作られ方も併せてみてみよう
とあるサラリーマンの日常報告
こんにちは! 季節はすっかり初夏の装い。緑が目に心地好いですね。でもちょっと暑すぎません? このまま夏がきたらどうなっちゃうんだろう……海……彼女が水着に着替えたら……行きたい! 見たい! いや落ち着け!なんてつぶやきながら、自家製ジンジャーシロップを炭酸で割って、ウィスキーをほんのちょっと加えて、ゴクゴク……プハーたまりませんな。そんなリモートワークに励む日々です。いやウソです。仕事中は飲んでいません。断じて断じて。
それにしても、年度変わって2カ月たったと考えると、早いものです。ワタクシなんて、自分の所属部署が変わったこともすっかり忘れてましたから(オイ)。所属部署が変わったことで、実は勤務地も変わるんです。だから自席の引っ越し作業もしなきゃならないんですが、のほほんと自家製ジンジャーハイボー……じゃなくて自家製ジンジャエールを飲んでる間に2カ月がたっちゃいました。「早く引っ越せよ」ってプレッシャーがスゴい。まいったまいったでゴザルよ。というのがこの原稿を書いている今まさにの状況でございます(仕事をしろ)。
地図の編集って何すんの?
さて、このままダラダラとワタクシの近況について語っても仕方ないので、今回のコラムテーマにまいりましょう。「地図編集者になりたい?」と題しまして、恐縮ながら書かせていただこうと。
当コラム第8話では「ツーリングマップルの著者になりたい?」というテーマで、著者のお仕事、大変さをざっくりとお伝えしました。暗に著者になりたいという方々に「いやマジ大変だからオススメしないっすよ」と釘を刺すようなことをしたわけですが、今度はその編集者版というワケです。でも「ツーリングマップルの編集者」になりたいなんてヒトはほとんどいないでしょうし、あまりに話が狭すぎます。なのでツーリングマップルに限らず、地図編集者は何をしているのか? というあたりを、お話してみます。
地図にだってコンセプトはあるのだ
ひと口に「地図」といっても、いろんな種類の地図があります。……というこの時点で「地図といえばグーグルマップ」な方にとってはよく分からない話になります。「地図の種類? グーグルにヤフー、あとナビタイム?」と言われたこともありますから。
地図はまず、一枚ものの大きな地図と、ページをめくる本のタイプに分かれます。
その次に、書き出す縮尺・範囲の違いで分かれます。大きな縮尺で市区町村単位の詳細情報を載せた「都市地図」、各都道府県をひとつにまとめた「分県(県別)地図」、地方単位の「地方図」、そして「日本全図」、「世界全図」などなど。
この「一枚ものか、本か(+どんなサイズか)」と「どういう縮尺・範囲構成か」の組み合わせが地図の骨格となります。地図編集者は「誰に、どういうシーンで使われる想定の地図なのか=コンセプト」をたて、そのもとに骨格を組んでいきます。
例えばそれが「歩く人向け」なら、より縮尺が大きく、詳細な情報が入った地図となり、また判型は小さく、エリアは比較的絞られたものになるでしょう。しかし仮にツーリングマップルを1万分の1程度の歩く人向けの縮尺で作ると、ものすごく分厚くなるし、バイク移動ではあっという間にページを通り過ぎてしまいますから、成り立ちません。
「図取り」は地図作りのハイライト
今述べた、骨格を組む作業を「図取り」と呼びます。「図取りは地図を作る工程で最も面白い部分だ」という編集者は多いです。
紙のサイズに応じて、その中でどこからどこまで収録するのかを決める。縮尺を優先するのか、広さを優先するのか。あれこれシミュレーションしながら。例えば「あと2センチあればインターまで入れられるのに」という場合は縮尺を下げるか、位置をずらすか、あきらめるか、悩みどころです。交通の要衝や観光地がページの境目に来ることもよくあります。あっちを立てればこっちが立たず。どうすればユーザーにとって使いやすいのか、それを考えるのが図取りです。本当かよと思われるかもしれませんが、1㎝ずらしただけで、使い勝手が良くなったり悪くなったりすることがあります。
さてさて、長くなりそうなので、続きは次回。地図編集者に興味がある方はぜひお読みください!
Information
みんなのツーリングマップルOPEN!!
Twitter:@touringmapple_s