DysonとSuperCubに共通するモノつくりに対する気概
とはいえ、50年以上前に生産された車両ですから、コンディションは言わずもがな。そこで、ダイソンの日本スタッフはスーパーカブのカスタマイズなどを行う「Cub工房」を主宰するモビリティ・クリエイターの中島好雄さんにレストアを依頼。9カ月の時間を経て、現在のまるで新車のような状態に仕上げられたのです。
とはいえ、その工程は生半可な難しさではなく、何しろ日本ではレストア用のパーツは何ひとつ手に入らなかったそうです。中島さんは知古を頼って、世界7カ国からパーツを集め、それでも手に入らないものはオリジナルで作ってしまったそうです。
中島さんは、このC90をレストアしているなかで、ダイソンのモノづくりとSuper Cubの作られ方はとても似ていると思ったそうです。どちらも、ただ図面上で設計するだけではなく、実際に作って使ってを繰り返しながら製品化していく。効率化を優先すると失われてしまいがちな、時間がかかっても本物を作ろうという気概がダイソンのプロダクトとSuper Cubには共通していると、中島さんは感じたと言います。
ダイソンのオフィスに置かれたSuperCub C90を見ながら中島さんのお話を聞いていたら、時代は変わっても、モノ作りに情熱を注ぐ人のマインドは同じで不変なんだと、あらためて感じさせられました。
ちなみに、日本のダイソンのオフィスには、「ホンダルーム」というミーティングルームがあるそうです。なんか、いいですね!