周囲のクルマを注意深く「観察」して「想像」する
たとえば今、あなたは前を走るクルマが、数秒後に道路の左側にあるコンビニに入るかどうか、高速道路であれば追越車線から走行車線に移るかどうかを、予測することができるだろうか。実はこの見分け方は、コツをつかめばかなり精度が高められる。
ポイントはふたつ。
ひとつは他車のドライバーの気持ちを推しはかったり、他車がいま何の目的で走っているかを読み取ること。これはたとえば、前車の進路の先にコンビニや人気外食チェーン店があれば、「入るかもしれない」と想像すればいい。
もうひとつは、前車の動きをよく観察すること。ドライバーは人間なので、目的があればそこに意識が向かい、おのずとクルマの動きにもその兆候が表れる。
たとえば、高速道路で前を走るクルマが隣の車線に移りたがっているとか、一般道で道路に面したコンビニに入ろうとしている場合、車内のドライバーの首の角度が左を向いている、クルマがだんだん車線の左側に寄っていく、そんな動きからの急な進路変更……。兆候を見逃さなければ、前車が急にウインカーを出しても慌てないハズ。
「きっと曲がるな」「やっぱり、そうか」。見事予想が的中すれば、自分にそんな気持ちが芽生え、急なウインカーによるストレスも幾分か解消されるかもしれない。
今回ここで紹介しているドライバーの首の角度の話は、あくまでも一例でほかにもヒントはあるハズだ。他車のやりたいことを想像し、その目的に向かって動くドライバーやクルマの挙動を見逃さない。事故も含めた交通トラブルは、自分が予想しないところから起こるものだからこそ、予測の精度を高めることは、公道での必須スキルなのだ。